2026/10/13
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「WCLC 2026」における順天堂大学との共同研究成果発表のお知らせ

2026年9月12日〜9月15日に 韓国ソウルで開催された世界肺癌会議(WCLC2026)において、順天堂大学と進めてきた共同研究「Predicting Immunotherapy Efficacy in Advanced NSCLC via Machine Learning Integration of Radiomics and Clinical Data」が採択され、ポスター発表を実施しましたのでお知らせいたします。

本研究は順天堂大学とエルピクセル株式会社が2025年より取り組んできた共同研究による成果の一つです。進行した肺がんに対する免疫療法について、臨床情報と胸部CT・PET-CT画像から抽出した特徴量をもとに、患者さん一人ひとりの治療効果と生存の見通しを予測する機械学習モデルを構築し、予測に寄与する因子を分析しました。治療法の検討や予後の見通しを推し量る手がかりとして、今後の活用が期待されます。

【学会基本情報】

学会名:The IASLC 2026 World Conference on Lung Cancer (WCLC2026)
公式HP:https://wclc.iaslc.org/ (Latest WCLC)
会期:2026年9月12日〜9月15日
会場:COEX Convention & Exhibition Center(韓国・ソウル)

【ポスター発表情報】

演題:Predicting Immunotherapy Efficacy in Advanced NSCLC via Machine Learning Integration of Radiomics and Clinical Data

発表者:Taichi Miyawaki 1, Takehito Shukuya 1, Nami Saito 2, Antoine Choppin 2, Yutaka Kurashina 2, Isana Katayama 1, Masahiro Fujioka 1, Masahiro Torasawa 1, Ikuko Nakamura 1, Daisuke Hayakawa 1, Naohisa Matsumoto 1, Ryota Kanemaru 1, Yoichiro Mitsuishi 1, Rina Shibayama 1, Ken Tajima 1, Kazuhisa Takahashi 1

(1 Department of Respiratory Medicine, Juntendo University Faculty of Medicine and Graduate School of Medicine, Tokyo, Japan、2 R&D Department, LPIXEL Inc, Tokyo, Japan)

【発表概要】

進行非小細胞肺癌(NSCLC)に対する免疫チェックポイント阻害剤(ICI)※1の治療効果は、患者さんの病態の個人差や時間的な経過など多くの要因が複雑に関与するため、あらかじめ見通すことが容易ではありません。治療開始から1・2年後の生存および治療効果を予測する手法は、まだ十分に確立されていないのが現状です。

本研究では、一次治療としてICI±化学療法を施行した進行NSCLC症例244例を対象に、胸部CT・PET-CT画像から抽出したラジオミクス特徴量※2、身体組成データ、臨床情報を用いて、機械学習手法(単体4種、アンサンブル2種)による予後予測モデルを構築し、PFS※3とOS※3に関して予測性能を比較検証しました。

PFSでは、臨床情報によるGBSAモデル※4が1年PFSと2年PFSのAUCでそれぞれ0.712と0.792を示しました 。同モデルで分けた低リスク群のPFS中央値は27.0ヶ月、高リスク群は5.9ヶ月でした(図1)。OSでは、ラジオミクスを加えたCoxElasticNetモデル※4が1年OSと2年OSのAUCでそれぞれ0.752と0.719を示し、低リスク群のOS中央値は36.1ヶ月、高リスク群は16.3ヶ月でした(図2)。寄与が大きい因子としては、ECOG PS※5が挙げられました。

画像から得られる客観的な指標と臨床情報を組み合わせることで、治療効果と生存の見通しを一定の精度で推定できる可能性が示されました。今後さらに検証と改良を重ね、実臨床での活用に向けた研究開発を行っていきます。

図1. GBSAモデルによるリスク層別化とPFSのKaplan-Meier曲線。網掛けは95%信頼区間を示す。

図2. CoxElasticNetモデルによるリスク層別化とOSのKaplan-Meier曲線。網掛けは95%信頼区間を示す。

※1:免疫チェックポイント阻害剤。免疫細胞にかかるブレーキを解除する仕組みをもつ薬剤。
※2:医用画像から抽出される、腫瘍の形状や内部の不均一性などを表す数値。
※3:PFSは無増悪生存期間(治療開始後、がんが悪化していない期間)、OSは全生存期間(治療開始後、生存している期間)。
※4:生存予測における機械学習手法。GBSA:Gradient Boosting Survival Analysis、CoxElasticNet:Cox’s proportional hazards model with elastic net penalty。
※5:パフォーマンスステータス。全身状態の指標の1つで、日常生活の制限の程度を0から4の5段階で示す。