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2024/12/06

  • お知らせ

量子科学技術研究開発機構(QST)との共同研究成果発表のお知らせ

ー  画像解析AIを活用した染色体異常検出の自動化 ー

エルピクセル株式会社 研究開発本部エンジニア 河井 宏紀と量子科学技術研究開発機構 放射線医学研究所 計測・線量評価部 生物線量評価グループ 數藤由美子グループリーダーらによる染色体画像解析自動化に関する共同研究成果について、EPRBioDose2024(2024年9月25日-28日、URL:https://eprbiodose2024.org/)及び日本人類遺伝学会第69回大会(2024年10月9日-12日、URL:https://www.congre.co.jp/jshg2024/)にて発表いたしました。
本研究の成果は、これまで検査者の目視等で確認していた染色体異常検出の効率を大幅に向上させ、放射線事故後のトリアージなど迅速な線量評価が求められる場面や、臨床細胞遺伝学分野における染色体異常研究への貢献が期待されます。

【研究概要】
染色体異常検出のための深層学習モデルを開発し、多重染色FISH画像※1を用いた性能評価を実施しました。60Coガンマ線で2.0Gyの照射を受けたヒト末梢血から得られた染色体標本を使用し、21,000本以上の染色体を含む505の細胞分裂中期画像をAIモデルの学習に使用しました。
その結果、染色体検出の精度は95%以上を達成し、染色体転座などの異常分類においても精度と再現率は最大75%を達成しています※2。染色体1000画像の解析時間はわずか5分以内であり、従来の目視解析作業の効率を大幅に向上させる可能性を示しました。

※多重染色FISH画像(左側が正常、右側が染色体転座)

※2
AIによる染色体異常検出(左側が研究者によるアノテーション、右側がAIによる検出)

【研究背景】
交換型染色体異常は、放射線事故後の患者の追跡調査や生物学的線量測定において重要な指標として知られています。低線量の電離放射線にさらされた場合、染色体異常の頻度は1%未満ですが、患者1人当たり5000の中期細胞を観察する必要があります。
従来の手法では、高スループット顕微鏡システムを用いた場合でも熟練研究者が染色体画像を目視観察するため解析に大幅な時間と労力がかかるといった課題があり、当社と量子科学技術研究開発機構はAI技術を活用した染色体画像解析自動化に取り組んでいます。
(当該AI技術を活用した染色体画像解析技術については、原子力規制庁事業である平成30年度~令和3年度放射線安全規制研究戦略的推進事業、令和4年度放射線対策委託費事業により量子科学技術研究開発機構が行った研究成果を活用しております。)

【今後の展望】
今後は、今回の研究成果を元により使いやすい解析システムの開発に取り組み、放射線事故後の迅速な線量評価や、臨床細胞遺伝学分野における染色体異常研究への貢献を目指してまいります。臨床現場や研究機関での実用化が進むことでさらに多くの学習データが追加されることで、AIの性能向上が期待されます。

【AI画像診断支援技術について】
高度化するモダリティとともに、医療画像診断の作業は増加の一途をたどっています。AIを活用した独自のアルゴリズムによって、脳MRI、胸部X線などの医療画像情報を解析し、効率的で、正確な診断が出来る環境の提供を目指します。
EIRLプロダクトサイト(医療従事者向け):https://eirl.ai/ja/

【創薬を支援するエルピクセルの画像解析AI技術について】
創薬プロセスにおける課題に対し、ライフサイエンスとAI双方に強みを持つプロフェッショナルが、実験デザインからAI学習に最適なデータ取得・収集方法、AI実装までをご提案します。創薬における「効率性」「品質」「安全性」の向上を幅広く包括的にサポートします。
公式サイト:https://imacel.net

<支援実績>
第一三共株式会社/武田薬品工業株式会社/アステラス製薬株式会社/大鵬薬品工業株式会社/中外製薬株式会社/協和キリン株式会社/シオノギテクノアドバンスリサーチ株式会社/マルホ株式会社/旭化成ファーマ株式会社/グローバル製薬企業(企業名非公開)
オリンパス株式会社/東レ株式会社/東レエンジニアリング株式会社/国立研究開発法人国立成育医療センター/量子科学技術研究開発機構/東大病院 他(順不同)
※公知および掲載許諾を頂けた一部の企業・団体様のみ記載しております

【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術、とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してまいりました。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開しています。
コーポレートサイト:https://lpixel.net/
公式ブログ(note):https://note.com/lpixel/

【本件に関するお問い合わせ】
エルピクセル株式会社 広報担当
TEL:03-6259-1713 Email:pr@lpixel.net

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