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2025/01/08

  • お知らせ

「16th Annual PEGS Europe – Protein & Antibody Engineering Summit 2024」における第一三共株式会社との共同研究成果発表のお知らせ

2024年11月5日〜11月7日にスペイン・バルセロナで開催された国際学会「16th Annual PEGS Europe – Protein & Antibody Engineering Summit 2024」において、第一三共株式会社と進めてきた共同研究「Automated image analysis AI model of ice crystal growth for optimization of annealing in lyophilization」が採択され、ポスター発表を実施しましたのでお知らせいたします。
本研究は第一三共株式会社とエルピクセル株式会社が2022年より取り組んできた包括提携による成果の一つです。医薬品の製造において、医薬品を凍結したままの状態で乾燥(固体から直接気体となる昇華という現象を利用し、製剤内の水分を除去)する工程がありますが、その工程で形成される「氷晶」の目視観察の自動化・定量化を実現しました。エルピクセル独自の画像解析アルゴリズムにより、重なり合う「氷晶」を分離して検出することを可能にしました。

【学会基本情報】
学会名:16th Annual PEGS Europe – Protein & Antibody Engineering Summit 2024
公式HP:https://www.pegsummiteurope.com/
会期:2024年11月5日~11月7日
会場:Montjuic Palau de Congressos- Fira Barcelona

【ポスター発表情報】
演題:Automated image analysis AI model of ice crystal growth for optimization of annealing in lyophilization
発表者:Kanako Miura 1, Tatsuhiro Kodama 1, Toru Ogawa 1, Susumu Hasegawa 1, Ko Sugawara 2 ,Hiroki Kawai 2
(1 Formulation Technology Research Laboratories, Daiichi Sankyo Co., Ltd.,2 Research and Development Department, LPIXEL Inc.)
概要:
抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate: ADC)※1や抗体医薬品※2の凍結乾燥工程※3のうち、アニーリング※4による氷晶成長は、医薬品の優れた外観、高い輸送耐性、均一な品質の製剤を製造するための重要なプロセスです。氷晶成長の最適化のために氷晶画像観察が重要となりますが、アニーリング時の全ての氷晶を目視観察するには長時間を要する・観察者による評価ばらつきが生じるといった課題があります。
本研究ではエルピクセルの画像解析AI技術を活用し、重なり合う氷晶を分離して検出したうえで個々の氷晶の数および面積を定量化可能な解析プログラムを開発し、氷晶成長工程の解析自動化を実現しました。

図1.エルピクセルが開発した解析プログラムによる氷晶検出。重なり合う氷晶を個別に検出し、個々の氷晶の数および面積が定量可能

図2.-2.5℃アニーリング時の氷晶数・面積を時系列で解析した結果

※1 抗体薬物複合体(Antibody-drug conjugate: ADC)
がん細胞に選択的に結合する抗体にがん細胞を特異的に攻撃する薬物を合わせたもので、抗体医薬品と化学療法剤のそれぞれの長所を併せ持つ構造の薬剤である。
※2 抗体医薬品
抗体を利用した医薬品。がん細胞などの細胞表面の目印となる抗原に特異的に結合するため、高い治療効果と副作用の軽減が期待できる。
※3 凍結乾燥工程:
医薬品の製造において、医薬品を凍結したままの状態で乾燥(固体から直接気体となる昇華という現象を利用し、製剤内の水分を除去)する工程。溶液を凍結させ氷晶を形成する凍結工程、昇華乾燥を行う一次乾燥工程、蒸発により結合水を除去する二次乾燥工程で構成される。
※4 アニーリング
凍結乾燥工程のうち、凍結工程後にいったん温度を少し上げて保持し、再度温度を下げて完全に凍結させるステップを追加する工程。製剤中の氷晶成長が促進され、均一化される。

【第一三共株式会社とエルピクセルの包括提携について】
エルピクセル株式会社は第一三共株式会社に対し、研究領域のみならず開発・製造を含むAI画像解析技術の活用が期待される全てのバリューチェーンを対象として、2022年より包括的に技術支援を行っています。これにより、第一三共社内での潜在的なDXニーズを顕在化させ、新規モダリティの活用による革新的医薬品の創出に向けた様々な業務プロセスの変革と加速化を支援しています。
※2022年7月20日 第一三共株式会社によるプレスリリース
画像AI解析に関するエルピクセル社との共同研究成果及び今後の展開(包括提携契約締結)について」

【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持ち、医療・製薬・農業分野において画像解析技術、とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してまいりました。医師の診断を支援するAI画像診断支援技術「EIRL(エイル)」、創薬に特化した画像解析AI「IMACEL(イマセル)」を軸に事業を展開しています。
コーポレートサイト:https://lpixel.net/
公式ブログ(note):https://note.com/lpixel/

【お知らせに関するお問い合わせ】
エルピクセル株式会社 広報担当
TEL:03-6259-1713  Email:pr@lpixel.net

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