2018/06/14
- プレスリリース
3次元化画像処理技術を用いた 生体組織細胞解析サービスの先行予約を開始
2018年6月14日(木)、エルピクセル株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:島原佑基、以下「LPixel」)は、株式会社TCK(代表取締役:小坂光二、本社:福岡県福岡市、以下「TCK」)と共同開発したシステムを用いた解析サービスの予約を本日より開始いたします。
【背景】
近年、医療現場での病理診断や再生医療の進歩とともに、医師は膨大な数の診断と向き合うこととなりました。特に標本作製から診断まで高度なスキルが要求される病理診断では対象となる画像が増え続け、全国に約2300人(医師全体の1%未満)[1] の病理医をはじめ病理診断従事者の作業負担の増加が問題視されています。
【3次元画像処理技術を用いた生体組織細胞解析支援システムについて】
本システムは、ナノメートルオーダーの分解能で生体組織の観察を可能とするために主に電子顕微鏡、レーザーアブレーションシステム、3次元画像判定用エンジンで構成されるシステムです。試料スライスから画像取得までを全自動で実施でき、組織の撮像に伴う損傷を最小限に抑え、短時間かつ大量の切片画像を取得します。この革新的なシステムを用いることで、細胞生理学研究等の基礎研究の発展に期待ができます。また、本システムを応用することで、切片画像から3次元イメージを構築し、人工知能を活用した病理診断支援システムの構築を目指しています。
LPixelは、長年のバイオメディカルイメージング分野の研究で培ったノウハウを活かし、3次元構築と3次元画像判定用エンジンの開発を担当しています。本開発課題で取り組むレーザーアブレーション技術を用いた撮像装置と組み合わせることで、病理診断の標準化・効率化を促進し、病理分野の発展に大きく寄与することが期待されます。
▼デモ動画
【これまでの取り組み】
本システムは、経済産業省「平成28年度戦略的基盤技術高度化支援事業」にて、株式会社TCK他との協同プロジェクト「レーザーアブレーション技術[2] を用いて生体組織の構造解析を高速かつ低価格で実現するナノレベル3D構造解析システムの開発」として採択されています。また、日本顕微鏡学会が主催する第74回 学術講演会にて「三次元画像処理技術を用いた、細胞解析支援ソフトウェアの開発」について講演を行いました。
【今後の予定】
2019年4月1日(月)より正式販売を開始いたします。また、本システムは、2018年6月27日〜29日に東京ビックサイトで開催される「BIO tech 2018」の企業ブースにて、本システムのデモ機を展示いたします。長年のバイオメディカルイメージング分野の研究で培ったノウハウを十分に活用し、医療の発展に寄与してまいります。
※参考
[1] 一般社団法人日本病理学会、厚生労働省
[2]サンプル表面にレーザーを照射することにより照射箇所のマテリアルを擺脱する技術
【エルピクセル株式会社について】
エルピクセル株式会社は、ライフサイエンス領域の画像解析に強みを持つ東京大学発のベンチャー企業です。医療・製薬・農業などのライフサイエンス領域に対して画像解析技術とりわけ人工知能技術を応用することで、高精度のソフトウエアを開発してきました。現在、東京大学や国立がん研究センターをはじめ複数の医療機関と連携し、人工知能を活用した医療画像診断支援の研究開発を進めています。
【本件に関するお問い合わせ】
エルピクセル株式会社 広報担当
TEL:03-6327-3992 Email:pr@lpixel.net